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鎬京花ノ怪奇手帳

【怖い話】鎬京花ノ怪奇手帳「四つ石村/その2」

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鎬京花ノ怪奇手帳「四つ石村/その2」

■前回はこちら

【怖い話】鎬京花ノ怪奇手帳「四つ石村/その1」

 

午後3時30分・・・

私の運転する車で、ネットユーザーの生配信で映像が途切れた場所までやってきた。

 

まだ昼間だというのに、山の奥は陽がほとんど差し込まず、薄暗いのが入口からも解る。

先生は結局ぶつくさ言いながらも同行してくれた。

 

個人的にはネットユーザー君には生きていて欲しいけど・・・

それだと、その先の捜査は行き詰るなぁ。

もし生きてるなら、とっくにこの場所から去ってるだろうし。

 

でも、生きてたのなら、後々の報告として生配信やるだろうし・・・

やっぱり何かあったと考えるのが妥当か。

 

「先生、何か感じますか?」

「・・・うーん・・・(特には何も嫌な気配は感じないけど・・・)」

 

そもそも、私にはそんな『センサー』みたいな力はないのだ。

あくまでも何か私物に触れないと・・・

 

「とりあえず少し中に入ってみようか・・・気は進まんが」

「だーいじょぶですって!まだ昼間ですし!お化けなんて出ませんよ」

 

京花君の目的ってなんだっけ・・・

しかし、現場に来ても何も感じない以上、何か痕跡を見つけない限り辿れないんだが・・・

考えていても仕方ないか・・・

 

「はぁ・・・行くか・・・」

「ですです」

 


ドクン・・・!!

 

「!?」

「先生?急に立ち止まってどうしたんです?」

 

「いや・・・」

 

なんだろう・・・

具体的に何か見えるわけでも、何かを感じ取った訳でもないんだが・・・

何か・・・嫌な予感がするような・・・

 

私の直感が、これ以上先に進むなと言っているのか?

 

見た所一本道だし、分かれ道がない限りは戻れるとは思うのだが・・・

そういう危険とは、別の・・・心霊的な危険を察知しているのだろうか・・・?

 

「先生・・・?あからさまに顔色悪いのですが・・・

 やっぱ、この先に行くのヤバい感じなんです?」

 

「相変わらず何も感じないようだね京花君は・・・

 とはいえ、私も具体的な”何か”を察しているわけではないのだが・・・

 何かこう・・・行かない方がいいような気がしてる」

 

「わかりました!じゃあ、何も感じないノーマルな私が、ちょっくら先まで見てきます!」

「バカ!何かあってからでは遅いのだぞ!」

 

「大丈夫ですってば!ビビってちゃ、この仕事できませんし。

 今までの経験上、大丈夫そうです。はい」

 

何を根拠に大丈夫などと・・・この娘の無鉄砲さには、時々驚かされる。

 

「じゃ、そういうことで!大丈夫!ちょっと見てすぐ帰ってくるので!」


神隠し

「・・・」

 

私はバカか・・・!

何故止めなかった・・・!?

京花君が山の一本道を進んで姿が見えなくなって、もう5分は経つ。

 

心配し過ぎなのか?

 

「お、おーい!京花くーん!」

 

・・・・

返事がない・・・

 

「く・・・!あのバカ!どこまで心配させるのだ・・・!

 携帯に連絡だ・・・!」

 

け、圏外・・・!

そりゃそうか・・・!

 

「くそ・・・あと5分だけ待つか・・・?

 いや・・・手遅れになったらどうする・・・でも・・・

 ぶっちゃけ行きたくない・・・」

 

でも、こうなってしまったのは私の責任でもあるか・・・

 

「はぁ・・・覚悟を決めるか・・・」

 

一歩、二歩・・・歩を進める。

相変わらず嫌な予感で鼓動が早くなる。

 

絶対にマズイ気がしてきた。

 

一つ救いなのは一本道なことか。

これなら迷う事はないだろう。

 

しかし・・・京花君はちょっと見てくると言って、何処まで行ったんだ?

思いの外続く一本道・・・

 


「京花くーん!いないのかー?」

 

・・・

相変わらず返事がない・・・。

 

その時・・・何の気なしに、ふと振り返ってみて言葉を失う。

 

「・・・!!」

 

帰りの一本道が途中で途絶えている・・・だと?

 

私は来た道を引き返す。

10mもしない辺りで、そこから先の道が消えている。

 

「バカな・・・!?」

 

私たちは、知らず知らずの間に、異界へ迷い込んでいたようだ。

経験がないわけではない・・・この手の”迷い込み”・・・

しかし迷い込むまで気づかないとは、とことん波長があってないのだろうな。

 

京花君も恐らくコレにハマって戻れなくなったのだろう。

そのネットユーザーとやらも同じくだろうな。

 

一応確認してみるか・・・

 

私は京花君のボールペンに触れた。

「!・・・やっぱり・・・」

 

私はその人物の持ち物に触れることで、その人物の生死が解る妙な力がある。

そして、生死とは別の感じ方が一つあるのが、”世界から消えた”感じ方だ。

つまり、異界に飲み込まれているということ。

 

対象が異界で死んでる場合でも”糸”は見える。

しかし、異界で生きてる場合は見えない・・・

結局探せないってことだ。

 

この異界は多分、作られた結界の中みたいな感じで、

それを打ち破れば現実世界に戻れる・・・はず。

 

「異界を生み出してる元凶を断つべし・・・か。

 やれやれ・・・多分私には無理だぞ・・・」

 

次回に続く。

 

■前回

【怖い話】鎬京花ノ怪奇手帳「四つ石村/その1」

 

■次回

【怖い話】鎬京花ノ怪奇手帳「四つ石村/その3」


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