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鎬京花ノ怪奇手帳

【怖い話】鎬京花ノ怪奇手帳「四つ石村/その3」

投稿日:2019年4月27日 更新日:

鎬京花ノ怪奇手帳「四つ石村/その3」

■前回はこちら

【怖い話】鎬京花ノ怪奇手帳「四つ石村/その2」

■第1話はこちら

【怖い話】鎬京花ノ怪奇手帳「四つ石村/その1」

 

「・・・」

 

完全にまずった・・・

まさか初っ端から怪異に巻き込まれるなんて・・・

 

ちょっと進んでみたけど、延々一本道が続いていそうだったんで、

引き返そうと思って振り返ったら来た道が消えてた・・・

 

先生、ああ見えて優しいから、きっと心配してるだろうな・・・

って今はそんな事を考えている場合じゃないか。

 

んー・・・しかし、どうするべきなんだろうか。

このままじっと先生が助けに来るのを待ってて大丈夫なのかな・・・?

でも、もし助けに来られない状況なら、自分でなんとかしなきゃならない・・・よね。

 

私は今まで霊的な存在を何度か実際に目撃したことがあるけど、

基本的には普通の人間だから、それらの存在に対して何が出来るってこともないんだよな・・・。

 

まして、今回みたいに閉じ込められる?みたいな経験は初めてだから、

どうしたらいいのかが解らない・・・

 

「考えてても仕方ない・・・か。とりあえず今は進むしかない。

 怖いけど・・・なんとかしなきゃ・・・」

 

京花は勇気を振り絞り前進する。

 

道幅は1m弱・・・左右共に茂みというか、木々が立ち並び、

かなり高くまでそびえ立っており、日差しはあまり入ってこない。

そのため、昼間だというのに、かなり薄暗い。

 

まぁ・・・完全な闇というわけでもないので恐怖は和らいでいる。

 

・・・・・・

・・・

 


「なんなの・・・一体」

 

歩けど歩けど、続くのは一本道・・・

一体、どれくらいの時間が経ったのかも解らない。

 

実は、道が消えた際に先生に電話をかけようとしてスマホを見た時、

3時38分だったんだけどさ・・・なんでか解らないけど、今もまだ3時38分なんだよね・・・

 

でも、この疲労感は・・・1、2時間歩いた感じじゃないかな・・・

 

「はは・・・いわゆる無限ループってやつ?

 ちょっと休もう・・・」

 

京花は地べたに腰を下ろした。

 

道なき道を進んでみるか、引き返してみるか・・・

 

「・・・はは・・・ですよね」

 

何気なく振り返ってみたら、想像してた通り、また数m先で道がなくなっていた。

 

「どうなってんのよ!クソ!」


遭遇

これはつまり、前に進んでもループしてて、進んでないってことなんだろうね。

右か左か、後ろか。

 

「さっき一応確認してみたけど、もっかい見てみるか」

 

重たい腰を上げ、来た道を戻る京花。

 

道が消えた所は茂みになっている。

この茂みが、かなり深いもので、かき分けてもかきわけても、先が見えない。

 

再度確認してみても、結果は同じだった。

 

「じゃあ、もう右か左しかないってこと?」

 

足元も見えない深い茂み・・・いわゆる藪漕ぎになる。

 

「ひぃ・・・こんなん無理でしょ・・・」

 

文句を言いつつも藪を漕ぐ・・・

すると・・・

 

「あれ、出口・・・!?」

 

藪は体感で1分2分で抜ける事が出来た。

でも・・・これは・・・

 

「一本道・・・これってさっきの場所に戻っただけ?」

 

前も後ろも左右も出口はない・・・か。

 

「私、このまま誰にも見つけてもらえず死ぬのかな・・・」

 

てか、時間が止まった状態なら、もしかしてお腹とかもすかないのかしら・・・

こんなところで死ぬことも出来ないとか地獄じゃん・・・!

 

「先生助けてえええええええええええ!!」

 

京花の声は虚しく響くだけだった。

しかし、これがいけなかった。

 


「!・・・なんだろう。何か・・・」

 

上手く説明は出来ないけど・・・見られているような・・・

さっきまで感じなかった視線のようなものを感じる。

 

その時だった。

 

「!?」

 

何者かに右腕を掴まれたかと思うと、思い切り茂みの中に引っ張られた!

 

「きゃ・・・!むぐ・・・」

 

凄い力で茂みに引き込まれ、何者かが京花の口を塞ぐ!

 

(ちょ、ちょっと!なんなのよ・・・!!)

 

足をばたつかせ、必死に抵抗しようとする!

 

「おい!静かにしろ・・・死にたいのかバカ!」

(!?誰・・・!?)

 

京花を茂みに引き込んだのは謎の男!?

 

「騒ぐなよ・・・いいな?」

 

小声で囁く男。

京花は何度も頷いた。

 

それを確認したところで男は京花の口から手を退かす。

 

「・・・色々聞きたいんですけど・・・」

「しっ・・・!それはこっちもだけど、まずは”奴”をやりすごす・・・」

 

「奴・・・?」

「来るぞ・・・」

 

「!!・・・」

 

足音はホトンドしない・・・

だけど、確実に何かがいるような寒気を覚える。

 

私達は今、一本道の両脇の茂みの右側に隠れている。

茂みの隙間から、一本道が少し見える状態だ・・・

 

二人は息を殺し、じっと茂みの隙間から一本道を見つめる。

 

「・・・ブツブツ・・・」

 

(!!・・・)

 

思わず声が出そうになるのを必死に抑える京花。

茂みの向こうの一本道を”ソレ”は通っっていった。

 

永遠に続くかに思われた一本道の向こうから、それはやってきたのだろうか。

ボロボロの布きれを纏った、青白い肌の人・・・?

 

横から見た感じだから腕とかしかみえなかったんだけど・・・

一番驚いた所はそこじゃない。

思わず声が出そうになった理由・・・・・それは・・・

 

頭がない・・・!

 

頭のない人間が、歩いてた・・・!!

かなり猫背の人で、それ故に茂みからでも頭部がない事がわかったのだが・・・

 

頭がないのに、何かブツブツ聞こえたし・・・怖すぎるんだが・・・

 

次回に続く。

 

■前回

【怖い話】鎬京花ノ怪奇手帳「四つ石村/その2」

 

■次回

【怖い話】鎬京花ノ怪奇手帳「四つ石村/その4」


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